「ん。ちょうど座敷に忘れ物してね」
煙草の入っている胸ポケットの位置をコートの上からポンポンと叩くと、微笑んだ。
「二次会、こっちに参加なんですか?」
「もちろん。向こうは偉いサンばっかりだしね」
私と同じ『主任』という肩書を持つ佐々木さんは、私を一瞬見た後すぐに由紀ちゃんへと視線を戻した。
「へぇ〜頑張ってるんですねぇ」
由紀ちゃんは意味ありの顔をしながら、私の方へ顔を向けた。
「何?」
思わず問いかけると、由紀ちゃんはウフフと笑いながら、佐々木さんを手招きする。
150センチと少ししかない由紀ちゃんと175センチの佐々木さん。

