ハンドルを握りながら微笑む修ちゃんに、私は分かってると答えていた。
この有給休暇が終われば、私も仕事の引き継ぎで慌ただしくなるだろう。
「嵐の前の静けさだな」
修ちゃんは私の考えを読んだかのように、的を得た言葉を言って笑っていた。
有給休暇の間に、先輩が後輩達に退職の意向を伝えていたようで、初出社した私は後輩達に囲まれていた。
・・・でも、少しは残念に思ってくれていると考えていた私は少し拍子抜けした。
「絶対に幸せになってくださいね!」
「私の彼氏もそろそろ腹を括ってくれないかな」
「あ〜私も幸せな結婚したいです」

