唇を噛んで下を向く私に、彼は言葉を突き付ける。
「俺は真央のすべてを知りたい。ちゃんと真央の考えてることを理解したい。
偽りの言葉なんかいらない。真央の気持ちを全部吐き出して。
それで俺を忘れるなら・・・それでいいから」
涼の言葉は私の心を抉り、鍵をかけようとした気持ちを引き出していく。
鍵、ちゃんと掛けられてなかったんだ・・・
ズルズルと椅子に座りこんで、ただ涙を零すしかなかった。
---そして
私は自分の正直な気持ちを涼一に告げた。
決して同じ人生を歩めないと分かっていたこと。
このままお互いが愛し合っても、誰も幸せになれないこと。
このまま修ちゃんと結婚することで、涼一を守ろうとしたこと。

