「・・・涼」
キュッと胸元の服を握りしめる。
胸が張り裂けそうで、心臓が止まりそうで。
涼を失いたくない。
でもこれは浮気・・・不倫だから。
これ以上はダメだ。
頭と心がずっと戦っている。
「・・・好き」
私の目から涙が零れ落ちた。
夏を最後に終わろうと思ったきっかけ。
それは毎回抱き合うことだった。
『浮気の持論』を聞いた涼が私を口説いたってことは
浮気=エッチ
お互いが遊びだとの考え方に私の心はすでに壊れかけていた。
だんだんと関係が苦しくなってきていて、でも不倫と割り切ろうとして。
本気になっている自分を・・・絶対に認めたくなかった。

