奥さんから奪いたいなんて考えたこともなかったし、相手の家庭を壊したいとも思わなかった。
まして彼を私のものにしたいなんて微塵も感じなかった。
だから彼にとっても私は都合がよかったんだと思う。
後腐れのない大人の関係。
お互いの利害が一致していたから罪悪感なんてこれっぽっちもなかった。
ただ、友達には言えなかった。
暦は7月も半ばを過ぎ、もう少しで8月になる。
9月にはお盆休みを取れない修ちゃんが休暇を取って帰ってくる。
だから・・・
夏を最後の想い出に、涼とは終わろうと思っていた。
これ以上、彼に会っていると・・・
彼を私のものにしたい。
引き返すことのできない本気の恋になってしまう。

