もずくを持ってきてくれた店員さんにお代りをお願いしている佐々木さんを盗み見た。
頼んだ料理がすべて揃うまでは仕事の話をしていた。
お客さんの話や取引先の話。
「以上でご注文の品はお揃いでしょうか?」
から揚げを持ってきた店員さんは私達に確認する。
ハイと頷くとごゆっくりと言って個室の扉を閉めた。
「いただきます」
揚げたてのから揚げに箸を付け、フーっと冷ましてから口に放り込む。
「ん!美味しい」
モグモグと食べながらふと横にいる佐々木さんを見ると、さっきまでとは違う真面目な顔をして私を見ていた。
咀嚼しながら首を傾げると、困ったような溜め息をつかれる。

