仕事の話と同じぐらい真剣な口調が受話器越しに伝わってくる。 『一度仕事帰りに飲みに行きませんか?』 「いいですよ」 躊躇いなく返事をした自分自身に驚いた。 『たぶん再来週あたり早く切り上げられる日があると思うんです。日にちは前もって分かっていた方がいいですか?』 「できれば分かっていた方が助かります」 『じゃあ仕事の調整をして日にちを連絡します。ホントにいいんですか?』 念を押すように言う佐々木さんにいいですよと答える。