営業の男性社員は、ぜひお近づきになりたい・・・



なんとか砦を壊せないか?



そう部長に泣きついたようで、私は苦笑しながら分かりましたと伝えた。



いつもなら事務所のメンバーで飲んでいるけど、今日は皆を送り出して、お酌も落ち着いたからか、ホッと溜め息が出る。


コップに残っていたビールをグビッと飲み干すと、煙草に火を付ける。


大きく煙を吸い込んだところで、後ろから声を掛けられていた。



「どうぞ」



そう答えながら後ろを振り返ると、営業の佐々木さんがビール瓶とコップを持って微笑んでいた。