入口で少し足の力が戻った由紀ちゃんと2人でトイレに入る。


洗面台の縁にしがみついた由紀ちゃんは何度かに分けて胃の中のものを吐き出した。



背中を優しくさすりながらふと自分の服を見下ろすと、オフホワイトのセーターに黄色いシミがたくさんできていて、酸っぱい臭いがする。


ズルズルと洗面台から手を離し床へ座りこんだ由紀ちゃんに大丈夫かと聞きながら背中をさすり続けた。



「片瀬さん、水もらったけど?」



外から上原部長の声が聞こえ、由紀ちゃんに確認すると頷いたので少し離れるからと由紀ちゃんをその場に残し入口の扉を開けた。