記憶 ―惑星の黙示録―



「…ぃ…嫌よ…」

私はアランの視線から逃げる様に、風に立ち向かう。

何で、そんな事を改まって言わせるの!?

私は、こんな人に助けなんて求めない。
一人で進んでやる…

私は、強いんだから…


「…負けず嫌いの頑固者…、にしちゃったんだね、自分をさ…。」

「…!?」

溜め息混じりのアランの台詞に、前に進もうとした私の足は止まった。


「でも、たまには人に助けを求めてごらんよ。口に出してさ…」

「………。」

私は…うつ向いた。
目が合わせられない。


なんで会ったばかりのこんな人に、そんな事を…

私の何が分かるって言うの!?

でも…

この人は見抜いてるんだ。
私を…。
私の「性格」も「心」も…

嫌…
嫌だ。

私は首を横に振った。
なのに…


「…ほら、さんはいっ…」

アランはなかなか言い出さない私の言葉を誘導する。


「……た…すけて…」

ぽそっと、
小さく…

私は久々に、
他人に助けを求めた。


「…はい、良く出来ました~!」

アランは私のその言葉を合図に、再び声色を元に戻す。
くしゃくしゃと髪を撫でると、私の肩をガシッと抱いた。