記憶 ―惑星の黙示録―



トン…と、地面に足を着きながら、リュウは私をムッと睨んでいた。

ううん…と、
リュウは咳払いをして、人差し指を立てて私に言う。


「…小さくなっていたのには、理由があるのです。」

…だから、
私を驚かせたかった…


「――…それもある、認めるよぅ…」

リュウは肩をすくめて小さく言った。


「…風の道が切れたでしょう?本来、人が通れる様な場所じゃない。人が一人通れるかどうか…ってとこだろうね~?」

え…?何?


「…で、俺たちは二人。小さくなれば軽くなるし、もつかな~…と思って?」

…は!?
なんて適当な…

ヘラっと笑うリュウに、
白い視線を送っていたのは私だけじゃなかった。

ハルカちゃんに加えて、黒い犬竜もまたリュウの言葉が分かるのか、じっと下から軽蔑の眼差しを送っていた。

リュウの視線が逃げ場を無くして、うろうろと泳ぐ。


「でも!ほら、ここまではもったろ?かなり時間短縮したよ~?」

ハルカちゃんが、ふぅ…と一つ溜め息をつく。


「…さらに、お兄ちゃんたら上からあたしを見つけたもんだから、『自分の力』使うの止めたんでしょ?」

…え?
『運任せ』っていうのも嘘!?