「…それで、さ。ハルカ。どうして俺の事は下ろしてくれないのかなぁ~?」
そう悲しそうな瞳をするリュウを見て、ハルカちゃんはキッと彼を睨んでいた。
「お兄ちゃんこそ、いつまでそんな格好してるの!?自分で出来るんだから自分で下りなよ!あたしが疲れちゃうじゃんっ!」
リュウに、出来る…?
私の頭は、混乱していた。
ハルカちゃんを見る限り、私と同じくらいの背丈で…
少し私よりは年下かもしれないが、大人に近いだろう。
リュウは小さな4、5歳の男の子なわけで。
でも、
『お兄ちゃん』
彼女は彼をそう呼ぶ…。
確かに、
リュウは子供らしくない。
「…この世界って、年齢と見た目が…逆とか?見た目が若い方が、実は年上だったり…?」
私がありったけの想像力を膨らませて出した答えを、
リュウは速攻否定した。
「…いや?年の取り方は向こうもこっちも一緒さ。まぁ、この世界じゃ年は取らないけどね?」
は?
…じゃあ、
何だって言うの?
「――…こういう事!」
リュウは、
自分の体を紫色に光らせると、
いとも簡単に自分の体を自由にしていた。
魔法…?
リュウにも使えたの?

