記憶 ―惑星の黙示録―



ハルカちゃんは、そんな私を見てクスクスと笑っていた。

素直そうな、可愛らしい子。

あどけなさが未だ残る、本当に楽しそうな笑顔と。
それでいて、茶色のふわふわな長い髪を耳に掛ける大人な仕草に、思わず見とれてしまう。

私と大して年の差はないのかもしれない。


犬竜はやはり少し元気は無いものの、左右に尻尾を動かしていた。



「…少しずつ、多分慣れるから。……きっと。」

私はそんな言葉を、
二人に向けて…

「ごめんね」の代わりにする。

私は、
可愛くない。

たった四文字の言葉が言えないダメな大人だ。


「…うん!有り難う。ゆっくりでいいから、コンとも友達になってね!」


何の迷いもなく、裏もなく、そう笑うハルカちゃん。

私は、ああはなれないな…。

そう引け目を感じながらも、笑顔でそれを隠した。


「…ふふっ…」

そうリュウも逆さまな状態で笑っていた。