遥「ちゃん」…?
「ん~…未だ『彼女』ではないし、本人も気付いてない系…?」
そう梓さんに答えながら私の方へ再び近付くと、今度は私の手を引いて…
私を…
愛里の横へ座らせた。
……え?
「「……ぇ?」」
「…俺、今日は奈央と『この子』に会いに来たんだよ?」
「「――…はッ!?」」
愛里と梓さんと絵美、
全員の声が見事に重なって、私の反応を待っていた。
…何言ってんの!?
そんな事あるわけないし。
私は慌てて3方向に首を振ったのだけれど、
目の前に屈む新さんは笑顔で私を見つめたままだった。
「ちょっと、奈央?」
「奈央っ、ちゃんとアレ来てる?って、愛里。この子、忙しさにかまけてアレの日にち把握してないんじゃなかった!?」
慌てる周りに対して、
ポカンとするしかない私。
いやいや…
だから…そんな事実自体が…
――…ちりんっ…
「…あの夜から、なかなか奈央が会いに来てくれないから…、俺が会いに来ちゃったよ…」
……え?
「思い出してみて…?」
…ぇ?
――ちりん…
やっぱり、
鈴の音がする…

