「…ふふ~、知りたいー?」
「…む。――…知りたいに決まってんじゃん。」
気になって…
帰れないじゃない!?
私は顔を歪めて、
アランをじろっと睨むけれど…
…あ、でも。
知っちゃいけない事なのかな?
そうリュウさんの気遣いを心配し始めていた。
「…リュウってば、分かってて俺に連れて来させるんだから~!俺、奈央に言っちゃうに決まってんじゃんね~?」
そう私の手を引くアランに。
「…あ!アラン…?やっ…やっぱ、ちょっと待っ…」
そう手を引き返す私。
まるで最初のやり取りと同じ。
アランは拒む私をずるずると、
大きな扉の隅へと連れて行った。
「ここからなら…、ほら!」
そう指を差して笑うアランを私は見ていた。
顔を前に向ければ…
見えてしまう。
…見て、いいの…?
リュウさん、
止めるなら今よ?
「………」
……
…み、見ちゃうわよ…?
そう確認の為に一拍間を空けてから、私は思い切って「向こう」を見たんだ。
どうせ…、
私の記憶は消されるんだから。
見ちゃったもん勝ち、よね?
「――…ぇ?」

