記憶 ―惑星の黙示録―



「…お前さんたちが今居るこの世界は、各旅の中間地点なんだ。」

……は?


「…分かりやすく言うなら…、ここで洗礼を受け、次の世界への通行許可が出るまで待つ…そんな場所。」

「………」
『………』

リュウさんは、これまで私たちに理解できているかを確認しながら話を進めてきた。

でも、
もう待ってくれなかった。


「…洗礼とは、体を…つまり器を切り離し、自身を『魂』へと導く儀式。」


そう言うと、
アランを指差して笑った。


「コイツは洗礼を受けたから、この姿ってわけだ。奈央ちゃんは、これから…ってわけだ。」


『魂』へと導く儀式…

これまでの事が頭を過る。

鬼が出てきた。
広い河が在った。

河の向こうは、ここ。
穏やかな綺麗な…、花畑…


こんな世界、
少し…聞いた事あるよ…。
でも、信じた事は…
無かったんだよ。

まさか…


「……私、死んだの…?」


ぽつりと呟くと、
ハルカちゃんたちの無言の視線が刺さる様だった。

リュウさんは私への返答の代わりに、こう言った。


「人は…生と死を繰り返し、6つの世界を旅している…」


その答えは、
限りなく、肯定に近かった…。