『……ナオぉおぉ~。やっぱり、俺がバカなのかッ!?だからかッ!?』
コンちゃんは涙を溜めて、私に助けを求めてくる。
「…大丈夫、私も分かんないから。頭がぐるぐる…」
『――だよなッ!?』
リュウさんは笑いながら、
「…奈央ちゃん、頑固だなぁ。気付かない振りが上手い!」
そう言ったけれど、
首を傾げて見せた…。
『えッ!ナオ、実は分かってんのッ!?…裏切り者ッ…』
じとっと睨み上げられて、私はわざとらしく首を横に振った。
ちょっとだけ、
私は気が付いてる。
愛里が言っていた事、
『前世かもしれないし、違う世界かもしれない』
その言葉、
そのままかもしれない、と…。
「とにかくな、世界は繋がってんだ!で、洗礼の話になるんだけど…」
リュウさんは…、
やっぱり私の全てを見透かしているんだと思う。
ニヤッと意地悪く笑ってから、こう言った。
「…人は、6つの世界を旅して回ってる。」
…もう。
もう容量オーバー…
あの話、そのまま…
何言ってんの!?
嘘でしょ!?
私の記憶を使って、
それらしい事を言って…
私を騙そうとしてるんでしょ!?
そう暴れ出しそうだった。

