記憶 ―惑星の黙示録―



「…んで、アランが元々居た世界は…」

「――砂漠、なんでしょ!」

リュウさんの言葉を遮って、ハルカちゃんが興奮して声を大きくした。


「…わはは、そう。大地のほとんどを砂漠が覆ってんし、周りは広い海。水と緑が尊い世界だな。」

また…「砂漠」。
アランが、居た世界?

私は…、
私の頭は、愛里を思い出していた。


「…その砂漠の世界では、魔術を操るウィッチと人間が暮らしてんだ。ウィッチには動物の言葉も分かる。」

「…あたし分かった!」

『…何をッ!』

急に叫び出したハルカちゃんに、私たちの目は向いた。


「…その世界で、アランお兄ちゃんとキースは昔『友達』だったんだね!」

そうなの…?

アランが花びらの上に浮き上がり、上下に揺れていた。


「…なんか、あたし分かってきちゃった!」

『――…何がッ!』


「今までキースと一緒に居る時、キースが悩んでいた事とか。ほら、コン。キースは異世界から来たって言ってたし!ねッ!?」

『…ねッ!?って…』

ハルカちゃんは飛び跳ねんばかりに興奮し、コンちゃんとリュウさんを交互にきょろきょろと見ていた。

コンちゃんは、やっぱり地面に向けて大きく首を傾げたまま。