「何が?」
「私が悪いのかなって。…なんで怒ってるの?」
「藍は悪くないよ。それに怒ってない」
そう言いながら、まだ眉間に皺が寄っているし、声が怒ってる。
「怒ってる」
「怒ってない」
「ウソ。なんで怒ってるの?」
さっきの言葉を繰り返す。
「それより、藍は中川のこと絶対好きでしょ?」
「え?…好きじゃないよ。……話、逸らさないで」
「藍こそ、話、逸らすなよ。大嫌いって言ってたけど、あれ、ウソだろ?」
そういえば、夏休みにも聞かれたっけ。
「ウソじゃないっ」
睨み合う私と冬夜。
まだ手を握られたままで、身長が高い冬夜を見上げる形になっている。
早く家に着かないかなぁ。
暫くの沈黙を破ったのは冬夜だった。
「じゃあ、さっき何であんな嬉しそうな顔をして中川と歩いてたんだ?授業中だって中川を見てるだろ?」
「そんなことないっ!」
実はそんなことあるんだけどね。
何で冬夜は、そんなこと知ってるんだろう?



