そんな昔のことを思い出していると急に 「そういえば、黒川は好きな人とかいるのか?」と 中川に話しかけられた。 「…えっ?……… いるわけないでしょ」 いきなり話しかけられて、一瞬思考が止まった。 (いきなりなんなの?) そう思いながら、さっきの聞かれたことを考える。 確かにそのときの私には好きな人は、いなかった。 いなかったというより出来ないの方が正しいかな。 女子も男子も友達という見方しかできない。 そのときはそんな考え方をしていた。 そのときは……。