獅兎のことは男として好きだけど。

そこまで悪女になるつもりはない。

「お前に呼んでもらわねェと困るから。いつでも呼べ、な?」

「……本当に女いないの?」

「いない」

あたしの質問に迷うことなく答える獅兎。

だからあたしは獅兎を信じる。

「ねぇ、獅兎」

「何だ?」

「今度の夏祭り一緒に行こ?」

「それは………命令か?」

命令ってものはしたくない。

とくに獅兎には。

だから…。

「違うもん。これはお願い。行ってくれるかどうかは獅兎が決めて」

「……わかった。その代わり舞の稽古はしっかりしろ」

「ほんと!?一緒に行ってくれんの!?じゃぁあたし頑張るっっ!」