「……わかった。お前が言うなら認めよう」

「本当っ!?」

「ただし、祈雨を守れ」

「承知しました」

獅兎が頭を下げて立ち上がったから、あたしもその後に続いて部屋を出た。

「お母さんありがとうっ」

これで獅兎とあたしは正真正銘の恋人。

「獅兎っ!」

廊下の真ん中で獅兎に飛びついて、獅兎に怒られた。

「怪我したらどうすんだ!」

「だって、獅兎が支えてくれるでしょ?」

「…お前は」

溜息ついてるけど、本気で嫌がってない癖にぃ。


「祈雨様」

後ろから掛けられた聞き覚えのある声に、あたしは振り返った。

リン――

髪にくくりつけてある鈴がなって、女の人はほほ笑んだ。