ついにやってきた夏祭り当日!

あたしは今日浴衣を着てる。

普段だったら絶対に着ないけど、獅兎と二人で夏祭りだもん。

やっぱり浴衣でしょっ。

ちゃんと獅兎も浴衣だし。

「獅兎遅い~…」

獅兎はもう準備は終わってる。

本当はすぐにでも外に出れたんだけど、その前にお父さんに呼び出しくらった。


「祈雨」

「あっ、獅兎。遅い~」

「悪かったよ」

獅兎はポンてあたしの頭の上に手をおいた。

「いいよ、許す。だから早くいこ?」

「あぁ」


頷いた獅兎の表情が暗かったのはわかった。

だってあたしはずっと獅兎を見てたんだもん。