あたしの家は、結構古くからある由緒正しき家だ。
て言っても、あたしはよく分からない。
お父さんとかが言ってただけ。

ただ、お金に困るようなことはない。

家は大きくて、お手伝いさんみたいな人が昔からたくさんいた。


「しと~?獅兎~!」

「祈雨様?どうかしました?」

あたしは家の無駄に長い廊下を歩きながら、探してた。

「獅兎知らない?」

「獅兎ですか?さぁ…、見かけませんでしたねぇ……」

「そっか。ありがと」

着物を着たその家政婦さんは獅兎の家系の人だった。

これだけ人数いると覚えるの大変だけど。

……にしても獅兎どこにいるのよ~…。

あたしを一人にして。