「あれ、ハジメさんが
作ったの?
てるてる坊主。」

……てるてるぼうず?
ああ、それよりも
また服が濡れた。
私の体は小さいから
風で揺れてしまうんだ。
戸を閉めてほしいな。

「うん、
チュッパチャップスを
芯にしてるんだ。
ストロベリー味のベリー。
ちょっと雨が
続きそうだったからさ。」

「ふーん。」

彼女は不思議そうに
見てたが
そっと微笑んだのが
印象的だった。

「かわいーね。

じゃあ!行ってきます。」

少し短めのスカートを
ヒラリと翻し
小走りで去っていく女の子。
その格好と
対照的な古風な傘は
竹の骨だけを動かして
こちらに手を
振っているようだった。