だから、何故彼女がその事を知っているのか不思議でしかなかった。


心夜に似た容姿の彼女は何者なのか。


「…君は何者なんだ」


「それは貴方たちが知ることじゃない」


壁でも張られたかのようにはねのけられる。


それでは情報が少なすぎて分からないことだらけ。


「じゃあ、君の名前を教えて」


「…サヤ」


それだけ言うと街中に消えていった。


右目が髪で覆われて見えない眼帯をした路上の天使。


彼女の名前はサヤ。





それが彼等と彼女の始まり。