「涼のバカ」



な、何が『ランクアップ』よ。

ど、どうせ、私はお子ちゃまで……大人のキス、なんてした事なくて……これ位の事でドギマギして……。

私が心の中でそう思っていると。



「なぁ、美雪」

私の耳元で、涼が囁いた。



「俺、おまえの誕生日に、言ったよな?」



……えっ?



「『おまえの思い出に宣戦布告』って」



あっ。



「うん」

私は肩に顔を埋めたまま、返事をした。