そして優しい嘘を言葉に

「沖野先生、おはようございます! 美雪、おはよう」

私達の所で止まらず、自転車で通り過ぎながらマネージャーの優子が挨拶をした。



「おはよう」

「おはよう……優子、私も行くから、待って! じゃぁ、沖野先生、また後で」



涼が短く挨拶した後、私もそう言ってから、その場を離れた。

背中に視線を感じるけど……無視。



「考えてみたら、『おはよう』じゃなくて『こんにちは』の時間だったね?」

私が走って追い駆けると、自転車の速度を緩めた優子が笑って言った。



今はお昼の12時30分。

部活は13時からだった。