そして優しい嘘を言葉に

いい加減、気持ち切り替えないと……こんな顔を、もし、涼に見られたらマズイ。

部活が始まる前に顔を洗って、泣いてたのがバレないようにしないと……。



そう思い、ペースを緩めて呼吸を整えながら、校門を通過した。



あっ!



バタン

ちょうど車から降りる涼が居て、私は動揺して、挨拶をしないで少し離れた所を通り過ぎようとした。



「おい、何、シカトしてんだよ」



ドキッ

その言葉に、足が止まった。



思わずタオルで汗を拭くフリをして、顔を半分隠した。