そして優しい嘘を言葉に

「俺、1日部屋に居て、何も準備できなかったから……今日は3月14日、ホワイトデーだろ?」



あっ!

すっかり忘れていた!



「何も無い代わりに、おまえに歌をプレゼントするよ」

「えっ?」



予想していなかった言葉に、驚いてしまった。



「もちろん、後で何か買って」

「いいよ、何も買ってくれなくて!」



思わず、涼の言葉を遮った。

だって、プレゼント魔の涼からは、いつもたくさんの心のこもったプレゼントをもらっていたから。



こう言う物で形に残らないプレゼントは初めてだよね?