そして優しい嘘を言葉に

さすがに2泊目だからか、みんな寝てしまったようで、廊下は静まり返っていた。



まだ早いから、涼は来ていないよね?

その前に、もし他の誰かが居たらどうしよう。



私は階段を降りて、まずはキッチンへ向かった。



もし誰か居たら『水を飲みに来た』って言えばいいよね?



昨日と同じように廊下から直接キッチンへ入ると、フロアの方から何か音がした。



なんだろう?

こそっと覗いて見た。



あっ、涼だ。



フロアにある小さなステージに、ギターを持って音を鳴らしていた。

私が近付いて行くと、涼は気が付いてこっちを見た。