そして優しい嘘を言葉に

「さぁ、話も落ち着いたところで、もう寝ようか」

弥生ちゃんがそう言って、サイドテーブルのライトを消そうとした。



あっ。



「弥生ちゃん、ごめん」

「えっ?」



弥生ちゃんの手が止まった。



「あのね……実は、『大丈夫だったら』って事なんだけど……1時に涼と会う約束をしてるの」


「うっわ~、本当にラブラブ過ぎて、『行ってらっしゃい』としか言いようが無いよね」


「ちょっと……その言い方、なんだか恥ずかしいよ」


「恥ずかしいのは、こっちでしょ? 私に見付かった時のように、誰かに見られないよう祈っているから……早く『深夜の密会』に行っていいよ」


「弥生ちゃ~ん」



わざと恥ずかしくなる言い方しないでよぉ。