そして優しい嘘を言葉に

「おじさんもおばさんも、迷惑じゃない?」

「何言ってんのよぉ……私は我慢出来るけど、おじさんは落ち込むわよ~。ここだけの話、美雪ちゃんの事、『うちの娘』って時々言ってるんだから」



おじさん……。



「今度は直接会ってあげて? 今日、私だけ会えたのを知ったら、拗ねちゃうから、ね?」

「うん。それから、来年もちゃんと2人にはチョコ持って来るね」

「よかった、楽しみにしてるわ。でも、年に1度と言わずに、たまには元気な顔を見せに来てね?」



おばさん……。



「うん……じゃぁ、また」

「またね。今日はありがとうね」



おばさんの言葉を聞きながら、私はペコッとお辞儀をして、玄関のドアを閉めた。