そして優しい嘘を言葉に

「ずっと会ってなかったから、本当はもう少しお話したいけど……その格好は、今から部活で学校へ行くのかな?」



おばさんの言葉に、ハッとした。

そうだ、部活!

時計を見ると、まだ間に合う時間だった。



「美雪ちゃん、部活3つも掛け持ち、大変でしょう? 僚二は僚二で、どっかで自分の分は頑張ってると思うから、無理して2人分頑張らなくていいのよ?」



おばさんには、やっぱりバレてたんだ、部活の掛け持ちの事。

私は首を左右に振った。



「私が好きでやってるんだから、大丈夫。大変だけど、楽しいよ? 今日はこれからバスケの練習なの」