そして優しい嘘を言葉に

ギュッ

両手がきつく握られた。



「幸せになっていいの。じゃないと、おばさん、美雪ちゃんの事が心配で、不眠症になっちゃうわよ」

そう言って、おばさんはクスッと笑った。



「どんな人なの? 会ってみたいわね?」



おばさんの言葉に戸惑う。



話したい。

おばさんにとっては『甥っ子の涼』だって知ったら、おばさんは安心してくれるかな?



でも……。



今はまだ、無理だよ。

ちゃんとおばさんと話せるか分からなかったから、今日ここへ来る事も、涼には言ってないし……。