そして優しい嘘を言葉に

涼は3月でここを離れるんだから……今更、言わなくても、いいよね?

と言うより、なんとなく……章弘先輩がずっと見ていて発見した事実を、簡単に涼に教えるのは申し訳無いような気がした。

目の前の涼は、私の言葉を待っている。



「あのね」

「ああ」

「最初は、私の片想いだと思ってたんだって」

「うん」

「でもね」

「ん」

「私が部活の時、涼と2人だけで話す時は、辺りを必ず見回すんだって」

「ああ……そう言えば、時々、そんな素振りしてたなぁ」

「えっ? 涼も気が付いてたの?」

「まぁ……でも、それだけだったら、おまえのせいじゃん。だから、俺は何をしたんだって?」



涼はちょっとイライラした感じで言った。