そして優しい嘘を言葉に

涼が困惑している。

その顔を見ていたら、ちょっと気持ちが落ち着いた。

章弘先輩の言葉を、確かめたくなった。



「沖野先生……私に用事って、なんですか?」

「えっ?」



あえて『沖野先生』と呼んで、訊いてみた。

一瞬、話の流れが変わって、キョトンとする涼。



そして、意味が分かったようで……でも、何故か視線が泳いでる。

何か必死に考えているようだった。

ちょっと間があってから、ハッと思い付いた表情で、涼が言った。



「テスト明けの部活の予定、聞いてなかったから、確認しておこうかと思って」



その答えに、思わずクスッと笑ってしまう。