『はい。何やらパソコンが必要みたいだったので』
少年は子供らしい容姿で大人びた口調で言った
『え……あ、いいの?』
正義の手がパソコンに伸びる
『はい。別にこの後急ぎの用もありませんし』
正義はその言葉に甘えパソコンを借りる事にした
少しタイミングの良すぎる話しだが、正義はそれ以上に掲示板を見たいという気持ちの方が上回っていた
道端に植えられている花壇の段差に座り、膝の上にパソコンを置く
少年はチョコンと正義の隣に座り、道を行き交う人に目を向けていた
『あの…本当にいいのかな?』
時間はそんなにかからないとは言え、こんな子供にパソコンを借りるなんて気が引ける
『いいですよ。僕も人混みに疲れて座りたいと思ってた所なんで』
教師である正義が関心してしまう程、少年はしっかりとしていた
『ありがとう。でも今の子はこんなに立派なパソコンを持ってるんだね』
正義はパソコンのスイッチを入れた
起動される時間も早く、正義のパソコンとは比べ物にならない
正義はどちらかと言えば使えれば何でもいいタイプだ
自宅にあるパソコンも古い方だが、正義にとっては最低限使えれば問題はない
機械に疎(うと)い 正義でも少年のパソコンが優れてる物だという事は分かる
今の子はこんなに薄いパソコンを持ち歩いてるんだな…と心の中で思っていると
『中学生にもなれば誰だってこんな物持ってますよ』
少年はクスリと笑った



