修は黙って正義の話しに耳を傾けていた
時々、昔の自分と重なったりして
『でも弱い人達がみんな君達を求めているかと言ったら違うと思う』
正義は強い口調だった。その強い瞳が修を突き刺す
『修君は確かにそんな人達の希望だった。だけど助けてくれると知ったら自分の力で立つ事をやめてしまう人も居ると思うんだ』
傷を気にしすぎると治りが遅いように
水をあげすぎれば花も枯れてしまうように
『君の存在は希望だけど、それと同時に弱い人を弱いままにしてしまう』
『……………』
『自分で立ち上がればそれは自信になる。でも君達の力を借りた人達はまた同じ事になったら迷わず君に頼るだろう』
-------------それは決して悪い事じゃない、でも
『信じてくれないかな、今を生きる人達の強さを』
確かに人間は弱い、誰かの助けも必要だと思う
だけど人は産まれてきた時に大声で泣く
誰かに教えてもらわなくても掴む事を覚え、二本足で立ち上がる
人間は弱いけれど、誰でも強さを持って生まれてくる。それに------------。
『人間は時に冷たいけれど薄情じゃない。君達のように手を差し伸べる事が出来る人は沢山いる。刃ではなく心で』
その時、正義の背中を押すように大きな風が吹き抜けた
少し沈黙になった後、やっと修が口を開く
『………………心か。それなら人間はみんな持ってますね』
人は心を持った人が育てるから
心をもつ人になる。
偽善ではなく、本意で優しく出来るはずなんだ



