お互いに状況が理解出来ず、正義は頭を必死に整理していた
『なんでって………俺は高木君に言われて。修君の最後の仕事を見届ける義務があるって。修君はその…………』
仕事の内容は聞いていないけど高木功の表情からてっきりまた人を裁きに行くのだと思っていた。だからこんなに慌ててここまで来たのに
『功がそんな事を?俺もここで功が来るのを待ってたんだけど…………』
あの時、高木功が修に言った“いい事”
それを教えてあげるからこの屋上で待つように言われていた
正義が相変わらず戸惑っていたけど、修はなんとなく状況を理解しつつあった
『多分、はめられたんですよ。俺もあなたも』
こうでもしないと二人は顔を合わせる事はないし、それに…………。
『あなたともちゃんと話したいと思ってた。星野さん』
修のまっすぐな目に正義はやっと冷静になれた
最後の殺人鬼、枝波修。ここと向き合わなければ何も終われない
『うん、俺もだよ。修君』
だからこそ、高木功はこうして二人を会わせたんだと思う
修はいつもの定位置に立ち、体を手すりにあずけた。そして何故かクスリと笑う
『それにしても、まさかあの階段を上ってくるなんて。あれ錆び付いてて壊れかけてるって気付きました?』
正義が必死に上ってきたビルの外階段
確かに良く見れば正義の手には茶色い錆が付いていた
『そ、そうなの?全然気付かなかった』
修を含め、ここに来た事がある人はちゃんとビルの中を通り安全な階段を使う
ここのビルは廃棄同然で簡単に中に入れるから
『まぁ、星野さんらしいですね』
『…………俺らしい?』



