Iの漂流戦士






だって自分の気持ちは自分が一番理解出来るから



反対に言えば俺の気持ちなんて誰にも分からない



でも、俺の気持ちなんて誰にも分からないなんて誰かに頼ってから言う言葉だ

世の中に絶望するのはその後でいい




『本音で話そうよ、兄さん。俺達の間にはいつも見えない壁があった』



----------------あの雨の日。

知らずに済んだ兄弟の絆を繋いだのは修

互いに大事にし過ぎた絆はいつの間にかがんじがらめなってゆるめ方を忘れていた





『俺はね、ずっと兄さんみたいになりたかった。強くて、優しくて、真っ直ぐな兄さんみたいな人に』



高木功にとって修は殺人鬼でもなく戦士でもなく、兄は兄。聞きたい事も言いたい事も本当は山ほどあった


修はそんな弟の気持ちが伝わったのか、真剣な眼差しをした





『………………俺は……俺はずっとお前が羨ましかった』



同じ父親の血から生まれたのに全然違って環境は天と地の差

母親という存在が居る事、安心して眠れる家がある事、生活に困らない事、その全てが本当は羨ましかった




『俺はお前に会いに行った時精神的も肉体的にもけっこうきつくて。本当はあの時すでに父親を殺したくて仕方がなかった。そのぐらい何もかもが憎らしかったんだ』




その矛先が弟に対してなかったかと聞かれれば嘘になる。羨ましいの妬(ねた)み。自分には絶対手に入らないものを沢山持っていたから