そんな中、聞こえてきた声
修はハッとして手すりの向こう側を見ると、今まで座っていた高木功が両手を広げて立っていた
爪先はビルからはみ出していて、下を見ると26階から見える殿の町
行き交う人々が小さくてまるで自分が大きくなったみたいだ
『……………功っ!』
慌てて駆け寄ろうとする修を高木功の言葉が制止した
『なんで止めるの?兄さんだって同じ事をしたでしょ?』
屋上に吹き抜ける風が高木功の制服を揺らす。強風でも吹いたら今にも落ちてしまいそうだ
『ここから飛び降りて兄さんと同じ存在になって、俺がやろうか?兄さんの代わりに』
眼鏡の下から見える瞳は真っ直ぐ修を見つめている
『ま、待て、功。分かった。俺がやるからお前は…………………』
----------------と、その時
バコッ!!!という鈍い音が屋上に響いた
その音と同時に修の体が傾く。音の正体は手すりを乗り越えた高木功が修を殴った音だった
『………っ…中途半端にやるとかやらないとか言うなよ!兄さんはいつもいつも肝心な事は何も俺に言ってくれないじゃないか』
殴った高木功の手が震えていた
大事な兄を殴るなんて絶対あり得ないと思ってた。でも、
『今の兄さんは見ていてイライラする。俺に死ぬなって言うのも殺人鬼をやらせたくないのも兄さんが経験して辛かったからだろ?』
『……………』
『俺は兄さんに死ぬなって言えなかったよ。兄さんはいつも事後報告だから。』
『……………………』
『今だってそう。殺人鬼をやめて戦士になる?勝手に決めるな。俺に相談してくれたら迷わず言ったよ。もう辞めろって』
高木功の目から涙がポロポロ流れる
殴られた右頬を押さえながら、修は少し冷静になった
あれはダメ、これはするなと今まで押し付けていたけど自分はいつもやりたいと思う事をしてきた気がする
周りの気持ちなんて無視して、



