Iの漂流戦士






そこに映っていたのは殺人鬼の存在を待つ人達の書き込みの数

そして高木功はその中からある書き込みをピックアップした



『これ見て』



それは三日前の書き込みで16歳の女の子。長年義父からの性虐待に悩んでいて裁いてくれないなら今から命を断つという内容だった


勿論、それから少女の書き込みはなくログインすらしていない



『この子1年前からほぼ毎日サイトに来てたんだよね。それが3日間来てないとすると………』



この少女の事かは分からないけど、毎日自殺者のニュースは目にする。今だってどこかで誰かが決意しているかもしれない



『功の言いたい事は分かるよ。だから俺は戦士を続け…………』


『ちょっと甘いんじゃない?兄さん』



修の言葉を高木功が遮る。いつも兄に対しては一歩引いていたのに今日は何かが違う



『殺人はしない?ひっそりと?つまり兄さんは全員じゃなくてその中から選ぶって事だよね?重いとか軽いとか苦しんでる人にランクをつけて順位付けする。全員じゃなくその中から一人救えれば戦士だって?笑えるね』



はじめて兄の前で見せた黒い部分

思えば兄弟なのに本音でぶつかった事もなければ喧嘩もした事がない

お互いに気を使って深い話すらした事がなかった





『……………でも俺には前みたいに迷わず人を裁く事は出来ない。必要な人には手を貸すよ、信念は変わってない。だけど殺しはもう……………』




----------------殺人鬼と言う名の戦士。

その名前通り迷わずやって来た。でも殺人鬼じゃない戦士とは?

自分で決めたのに決意だけで方法はまだ決まっていない

弟の言う通り甘いと言われても仕方ないと思う


人を傷つけて平気で生きている人が許せなくて、そいつらが居なくなれば救われる人がいる

だから殺人鬼という名の戦士


原因を経ちきらず救う方法?それが分かればこんな哀しい戦士は生まれなかった





『………………俺がやろうか?』