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それから数日が過ぎて、今日も殿町は若者で溢れていた
平日だというのに学生服を着た人達も居る。そしてこの人物も-------------。
カチカチと懐かしいパソコンのクリック音
膝の上に乗せたパソコンを手すりの向こう側でいじる一つの影
画面には無数の書き込みがあり、内容を確認しているようだ
『学校はどうした?』
突然屋上のドアが開き、修はその影に話しかけた
『休んだよ。なんか行く気が起きなくて』
高木功はそう言って、再びパソコンに目を向けた
この二人が顔を合わせるのは久しぶりで、思えばあの騒動の時も互いに何も言わなかった
『この屋上も随分寂しくなったね』
高木功は背中越しで修に言った
以前は4人居た屋上も今は2人だけ。仲良しとは言えなかったかもしれないけど少なくとも楽しい時間はあった
もう集まる事は二度とないけれど
修はそんな高木功の背中を見て、手すりに歩み寄った
『そうやってパソコンいじってると一馬みたいだな』
あえて騒動の事は口にしない。お互い何も言わなくても分かっているから
『別れ際にサイトの管理頼まれちゃったからね。いまだに書き込みがあるし一応やらないと』
サイトとは勿論、殺人鬼を語る掲示板
殺人鬼が現れなくなって随分経つのに掲示板はまだ息をしていた。スレッドも1週間もすればすぐに埋まってしまう
『その事なんだけど、その掲示板閉鎖してくれないか?』
修の言葉にピクッと高木功の眉が動く
今までサイトに関与してこなかった修がはじめて閉鎖を口にした
『それってどういう意味?』
高木功はパソコンの手を止める
『殺人はもうしない。でも戦士は続けるよ。だけど今までみたいに派手に予告を出したり注目を浴びるのは止めたいんだ。これからはひっそりとやるつもりだから』
修は誰にも相談せずに何もかも決めてしまう。弟の高木功はそれが許せない
『…………殺人はしない?ひっそりと?そんなの無理だよ』
声のトーンが変わった高木功はパソコンの画面を修に見せた



