【殿町 イチョウ通り】
通勤時間を迎える8時45分。正義が苦悩している一方でナノハは一人この場所に居た
あまり一人で出歩く事はないが、朝を迎えたらイチョウ通りに行こうと決めていたのだ
ナノハは正義と花を植えた思い出の場所にしゃがみ、一点を見つめる
『やっと咲いたね』
そこには小さなパンジーの花。なかなかその姿を見せてくれなかった花が綺麗に咲いていた
ナノハは気が付けばこの場所に来て、花の成長をずっと見ていた。正義と植えたあの日からこの日を待っていた気がする
『先生に教えてあげなくちゃ』
ナノハと正義。思えばこのイチョウ通りが二人の絆を深めてくれた
それは嬉しい出来事だけどナノハもまた色々悩んでいた。自分で決めた過去と向き合う事
誰に言われた訳でもない。自分自身が決めた事なのに何故だか迷いが生まれる
修が弟の高木功を置いていけないように、
ナノハも修を置いていけない
人を救う事、人を殺める事、戦士でいる事
それは異なるようで同じ事
そっちの道を選ぶのならもう正義に会ってはいけない
修を選ぶのか、正義を選ぶのか-----。
『ねぇ、私はどうしたらいいのかな?』
ナノハは泣きそうな顔でパンジーに問いかけた。答えの返ってこない花はただ真っ直ぐと咲き誇っているだけだった



