Iの漂流戦士







【同時刻 八代公園】





辺りはすっかり暗くなり、八代公園には街灯の明かりが点(とも)っていた

光に群がる虫達は不気味な羽音を響かせる


そこへ現れた一つの影。暗闇の中に居るもう一人の人物に声をかけた



『こんな場所に呼び出して何か用?』


少々不機嫌そうに高木功はベンチへと腰かける。服装は普段見慣れないラフな格好だった



『すいません。こうでもしないと二人で話せないと思ったので』


高木功を呼び出した一馬はベンチには座らず立ったまま。表情はお互いに固かった


『別にいいけどなるべく手短で。一応外には出るなって学校から言われてるから』


騒ぎの渦中(かちゅう)にいる高木功は形上、自宅待機。むやみに外に出る事を禁止されていた

騒ぎを早くおさめる為にも何も言わず、みんなの感心を薄める必要があった



『大変な事になりましたね。家の方は大丈夫ですか?』


『いや、家の周りにも記者らしき人が居たよ。母さんも職場には行きづらいみたいだし』


高木功の母親もまた殺された枝波 孝之との関係を週刊誌に書かれ、肩身の狭い思いをしている


『まぁ、母さんは今までバレなかったのが不思議だって笑ってたけど。別に俺も隠してたつもりはないし』


現に父親と血の繋がりはあっても面識はない。実父が殺されたのは事実だけど、ただそれだけ



『兄さんがした事は必然だったし、殺されるような事をした本人が悪い。一馬もそう思うだろ?』