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ナノハはそのまま逃げるように教室を飛び出した
みんなの視線が痛くて、それはまるで刃物みたいに。だけど一番ショックだったのは桜に信じてもらえなかった事
ナノハが無我夢中でたどり着いたのは裏庭の花壇
。ここはとても静かで、物音一つしない
ナノハはその場にそっとしゃがみ、花壇の土に手を触れた
ここを綺麗にしながら桜と一緒に花を植えられたらいいな。なんて思っていた
だけどそれどころか優しい笑顔さえ、もうナノハに向けてくれない
『…………♪♪……♪』
ナノハは現実から目を背けるように、ある歌を口ずさんだ
昔小さい頃、ナノハが泣いていると良く母親が歌ってくれたあの童話
ちょうちょう、ちょうちょう
菜の花にとまれ
菜の花があいたら
桜にとまれ
大好きな歌でいつも子守唄みたいに聞いていた。それなのに今は涙が溢れてくる
ちょうちょうはいつだって桜を選ぶ
ちょうちょうはいつも桜に寄っていく
大好きだったのに、なんて残酷な歌なのだろう
それからナノハは家でも学校でも孤独だった
誰にも頼れない、誰にも話せない日々
名前も知らない面識のない人からも色々な事を言われた
『中学の時も友達の彼氏取ったんだって』
『えー。最悪。嫌われて当然だよ』
女子の世界、女子だけの世界は思った以上に怖いものだった
違うと否定しても信じてくれない。噂話は日に日に悪化していく
『ハァ…………ッ』
ナノハは授業中意外、裏庭に身を潜めるようになっていた
どこにいても息苦しくて、誰も居ないここだけが唯一の居場所
ナノハはスカートのポケットから小さな袋を取り出した



