Iの漂流戦士





違う、違う、違う

弱いふりなんてしてないし、誘ったりもしてない。それに--------。


『わ、私。桜の好きな人が、よ…洋太君だって知らなかった』


すると、教室の空気はますますヒートアップする


『みんな聞いた?洋太君だって。男子苦手とか言っときながら名前で呼ぶんだ。』

『ほら、あの噂本当なんじゃない?頻繁に男と夜な夜な遊んでるってやつ』

『あー後、援交もね?いつもお金持ってるし良い物使ってるよね。私服の時なんてブランド物持ってたよ』

『それと先生も誘惑してるんだっけ?昨日も放課後担任と二人きりなの見たって』

『だから杉本さん成績いいんだ。テストの内容教えてもらえるもんね』


次々と自分の知らない噂か聞こえてくる

夜遊び?援交?誘惑?


『ち、違う!!私そんな事してない』


いつも大人しいナノハもさすがに声を張った。誤解や勘違いで生まれたものなら仕方ないが、これは酷すぎる

ナノハの目からポロポロと涙が溢れてきた

でもここには同情してくれる人は居ない

誰に何を言われても思われても、ナノハはただ一人だけに信じてもらえればよかった


『桜…信じて。私何もしてないよ。桜の好きな人を誘ったりもしてない』

ナノハはまっすぐに桜を見つめた

少しの間沈黙が続き、先に打ち破ったのは桜の方



『じゃぁ、あんたは洋太が誘ったって言いたいの?最悪だね』


----------ドクン
-------------ドクン


何て悲しい鼓動だろう。ナノハの心が折れた音がした