ナノハはそのまま教室に向かった。そして恐る恐るドアを開ける
ガヤガヤとうるさい声で、みんなナノハに目もくれず話に夢中のよう
それが少しホッとした。昨日のような空気だったら確実に足がすくんでしまうから
ナノハは自分の席に着いて、桜の姿を探した。そのグループは黒板横に座り込み輪になっている
----------ゴクン。
あそこに行ったらまた変な雰囲気になるかもしれない。怖い顔で睨まれるかもしれない
でも原因が分からないまま友達を失うのは耐えられなかった
『さ…桜………』
ナノハは一斉一代の勇気を出して、桜に話しかけた
だけど振り向くどころか、まるで聞こえていなかったような素振り
『あの…あの私…………』
再度声を出すと、一人の女子がナノハに言い放つ
『何?桜に何か用?』
ご飯も一緒に食べた事があるのに、その子の目はあまりに怖かった
視線が痛い。右も左も前も後ろも。そこには女子特有の冷たい世界があった
だけどここで負けたらまた中学時代の繰り返しだ
『私……何かしたかな?桜を怒らせるような事した?』
ナノハの悲痛の声。それを聞いた女子達は鼻で笑った
『は?なに被害者ぶってんの?被害者は桜じゃん』
------------被害者?周りもそれに同意するように頷く
『待って、私何の事だか………』
ナノハがそう訴えると、ますます視線は冷たくなった
『そうやって弱いふりして桜の好きな人に近付いた訳?』
桜の好きな人?近付いた?言ってる意味が分からない
『公園でブランコとか乗って楽しかったですか?あの日桜、洋太君と待ち合わせしてたのにあんたが誘ったんでしょ?』
その言葉で分からなかった何かが一致した
桜の好きな人は長山洋太。でもそれでも納得いかない子が多すぎる
『わ、私誘ったりしてない!確かに公園には行ったけどあれは………』
『だからそうやって弱い雰囲気出して相談のってもらうのが手口なんでしょ』



