洋太は制服姿で私服の時とは雰囲気が違うように見えた
『ナノハちゃん何かあった?なんか泣きそうな顔してるけど』
洋太はナノハの顔をのぞきこむ。免疫のないナノハはまたすぐに赤くなってしまった
『あはは、やっぱりナノハちゃんは可愛いね。俺で良かったらなんでも話聞くよ?』
洋太のやわらかい口調と優しさにナノハはどこかホッとした
今日1日ネガティブな事ばかり考えて、桜とも妙に距離があるし精神的に疲れていたから
『ちょっと場所移動しない?この近くに公園があるから行こうよ』
いつもなら付いていかないナノハも、初対面ではない洋太を少なからず信用していた
でも一番の理由は泣きそうなこの気持ちを誰かに聞いて欲しいのが大きかった
『それで何をそんなに落ち込んでるの?』
公園に着いた洋太はブランコに乗り、ナノハもその隣に座った
ギーギーと錆びたブランコが揺れ、洋太はゆっくりと漕ぎはじめる
『…………なんか私には何もないなぁって……』
話を聞いて欲しいけど、この気持ちをどう言葉にしていいか分からない
『えー。俺にはナノハちゃん他の人にはないものを沢山持ってるように見えるよ』
洋太の言葉は素直で真っ直ぐで、桜と少し重なった
『………でも私は自分が嫌いで…みんなの事羨ましいっていつも思うの』
大きな事も特別な何かもいらないから、ただ普通に友達と今を楽しみたい。そう、桜みたいに
『あーでもなんとなく分かるかも。人が持ってるものって何か魅力的に見えるんだよね』
『……………』
『でも手に入れてみれば、なんてことなくてさ。一歩踏み出すのに時間がかかるだけで、踏み出しちゃえば案外簡単な事かもしれないよ?』
何故か洋太の言葉が胸にしみた。確かに色々考える前に大事なのはそれを行動に移すことだから



